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- 顔入れイラストえほん『〇〇のふしぎなハコ』に託したアーティスト二人の想い


はじめに
- ナムーラ
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こんにちは。えほんのストーリーを作った、ナムーラミチヨです。
今日は、このえほんに託したわたしたち二人の思いをお話しさせていただこうと思うので、よろしくお願いします。 - 山本
- こんにちは。今回イラストを担当させていただいた、山本正子です。
- ナムーラ
- えほんは主に、家庭の中で親しまれることが多いものですが、わたしたちはそれこそ家族ぐるみの仲良しなので、このえほんはきっと、家族愛に溢れているはずですよ(笑)。
- 山本
- これまでナムーラさんとは、出版関係のお仕事から、家族動員のイベント、アート活動まで、いろいろ一緒にやってきましたよね。
表紙のイラストについて
- ナムーラ
- 正子さんはこれまで、ボランティアで似顔絵を描いていたんですよね。
- 山本
- ええ。本格的に似顔絵を描き始めたのは、「ギャラリーまぁる」での東日本大震災・チャリティー展の頃からです。ナムーラさんとの出会いのきっかけも、そのチャリティー展でしたね。
- ナムーラ
- 今回は、似顔絵というよりは、このえほんのストーリーにふさわしい、ファンタジックなイラストの表紙になるように、子どもさんのお顔を描いてもらいました。
- 山本
- 初めに描いた、みうちゃん、ゆうくん、かほちゃん、れんくんの表紙見本の4枚は、自分が子育てをしていた頃に、息子の顔を描いていたのを思い出しながら、心を込めました。お一人おひとり、本当に可愛くて・・・子どもって何かこう、持っている力というか、輝きがあるので、それを受け取って描くというのがモチベーションになります。
自分が主人公になったえほん
- 山本
- 書店でのえほんとの出会いも素敵なことですが、今回のえほん企画は、家族から子どもへのプレゼントとして、子どもさんを主人公とする特別なえほんでしょう。イラストを描かせてもらう前から、ワクワクしちゃいました!ナムーラさんは過去に、お孫ちゃんのTくんを主人公にしたえほんを作られていましたよね。
- ナムーラ
- そう、10年前にね。Tくんが4歳を前にして、もう本当にわがままで感情的というか、混乱状態になっていて。それで、こりゃなんとかしなくてはということで、ストーリーを考えて絵と文章をデザイン、プリンター出力して製本まで、すべて手作りのえほんをお誕生日プレゼントに贈ったの。Tくんが主人公で、世界中のみんなのことを考えるっていうストーリーのえほん。その特別な一冊を受け取ったときの、彼の反応が素晴らしくて、大切な何かを自覚したようでした。この時期の子どもは、家族の中での自分と、友だちからの影響もあったりしながら、どうやって自己肯定をしたらいいのか、とても揺れ動いている時期かもしれないですね。
自己肯定と家族とお友だち
- 山本
- 自己肯定って大事ですよね。わたしは、仕事でいつも揺れ動きながら自己肯定を探っている。
- ナムーラ
- 72歳にもなるこのわたしでも、それ、同じ。けっこう、ちょっとしたことで簡単に落ち込みますよ。でも、家族の中で、自分はもちろん、孫も、みんなそれぞれの個性と存在を認め合っていることに、本当に力をもらっている。そうやって、家族から力をもらえているわたしだからこそ、それをえほん作りに活かしたいんですよね。
- 山本
- 家族の中での自己肯定は、たぶん、緩やかに、確実に育まれる希望がありますよね。
- ナムーラ
- そうだね。希望。きっと子どもたちは、自分の存在に希望を感じたいんだよ。希望っていうのは、過去、現在、未来の世界観の中から獲得するものだから。
ふしぎなハコのお話
- ナムーラ
- 今回のこのえほんのストーリーは、友だちと共有する「ふしぎなハコ」というコンセプトが最も大事だったんです。お話そのものは、拙いというか単純なのですが、正子さんのイラストのファンタジーに救われている。
- 山本
- ファンタジーは、年齢を選ばない気がします。その年齢ならではの、空想世界へ広げることができますからね!
- ナムーラ
- あ、それは嬉しいですね。そう、例えば、森の中を歩くシーンは大事でした。だから、具体的な虫とかリスや小鳥は描かないでねって、正子さんに頼んだのよね。たぶん、親御さんはこのえほんを何度も何度も読まされるかもしれない(笑)。そこで、くりかえし読むだけでなく、こんな工夫をしていただきたいという願いもあります。「森の中の小さな生きものって、なんだろうね?」って、お子さんに聞いて欲しい。そこからまた広がるファンタジーも、あると思うのです。
- 山本
- 登場するキャラクターたちのアイディアは?
- ナムーラ
- ニンジン、ピーマンなど、苦手な野菜もファンタジーにつながってるって素敵でしょう?普段のお料理の準備で野菜を洗う時に、子どもさんと一緒に、プカプカ浮かぶピーマンを面白がって欲しいなと思ったりしています。
- 山本
- 最後のページで、ふしぎなハコはもうお友だちにあげてしまったけど、胸をポンポンとたたいたら、ニィ〜タンが現れる、というのはいいですね。
- ナムーラ
- 「こんどは なにしてあそぶ?」ってニィ〜タンから誘われたら、読者のお子さんに、自分ならではのお話を考えて欲しいなあと思うの。このえほんの中のふしぎなハコをポンポンとたたいて、次々とファンタジーを広げて欲しいですね。
- 山本
- ポンポンとたたくふしぎなハコ、ポンポンとたたく胸。“おまじない”みたいですね。
- ナムーラ
- そうですね。だれにでもできる“おまじない”は、ふしぎなお話の入り口なんです。

- 『〇〇のふしぎなハコ』【限定300冊】
- お子さまが主人公として登場する「顔入れイラストえほん」。思いやりの心を育み、想像力を後押しする、優しく温かなファンタジー物語です。
※タイトルの〇〇にはご指定のお子さまの呼び名が入ります。